レースの糸に樹脂という全く違う質を
吹き込み、記憶させるため
完成するまでに多くの時間がかかります。
編み終えたレースひとつに
樹脂の記憶を残すには
糸を傷けない最善の注意を測りながら
強度、色、質、形、硬さ、柔軟性など
糸と樹脂の調節と安定を
数週間かけて全て手作業で行うこと
で完成します。
だからこそ、
固めるというよりも糸に樹脂を
吹き込み、載せる、という表現が…
今はしっくりきているように思います。
糸からレースを生み出す作業も
レースに樹脂を吹き込む作業も
多くの時間を共にすることで、
愛おしくなる世界。
この樹脂記憶レースに用いている
タティングレースはその昔、
起源はエジプト時代から始まり。
その後、色々な時代の人々に愛され
18世紀のヨーロッパでは
夜に灯されるロウソクの
光とともに生活していた女性たちが
薄暗い部屋でも作れるようにと
シャトルという手のひらにおさまり
どこでも編めるように作られ出来た
歴史があります。
私自身もその見た目の繊細な
美しさとレースの作り方に
惹かれたひとりです。
受け継がれてきた、レースの年月に
新しい樹脂という、ひと雫を吹き込
んで…凛としながら弾む、柔らかく
暖かい、かたさ。
レースの繊細な世界に
思わず ほほえみ が浮かんでいただけ
たらと願っています。
+ tatting lace
【 タティングレースとは 】
+ unknown
story
【 樹脂記憶レースの始まり 】
+ lace resin
【 樹脂記憶レースの製作 】